「文章が書けない…」
「書いていても途中で行き詰まる…」
「書くのに時間がかかる…」
わかります。私もでした。
そのような人のための本です。
・文章の構成力
・文章を量産する方法
・言葉遣いを磨くテクニック
新しい文章力の教室
書名 :新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング
著者 :唐木 元
出版月:2015年8月11日 初版発行
出版社:できるビジネス
定価 :¥1,300+税
著者の唐木元さんはポップカルチャー専門のウェブメディア「ナタリー」の編集者。
ナタリーは毎月3500本を超えるニュース記事を更新する大手ウェブメディアです。
唐木さんはそこで新人研修の業務を担い、素人を1日15本の記事を書き上げるライターへと育ててきました。
本書はそんな唐木さんのメソッドが凝縮された文章術の本です。
第1章 書く前に準備する
第2章 読み返して直す
第3章 もっと明快に
第4章 もっとスムーズに
第5章 読んでもらう工夫
全206ページとやや分量はありますが、文章が読みやすく3時間程度で読み終えることができました。
要約
- 良い文章とは完読される文章である
- プラモデルのように作文する
- 言葉遣いを磨いていく62のレッスン
①良い文章とは完読される文章である
良い文章とはどんな文章か。悩んだことはないでしょうか。
良い文章とは完読される文章である
「完読されるのが良い文章」と決めると突然視界がクリアになります。
- 適度な長さ
- 旬の話題
- テンポがいい
- 事実に沿った内容
- 言葉づかいに誤りがない
- 表現にダブりがない
- 読み手の需要に即している
- 押し付けがましくない
- 有用な文章
こんな文章がもしあったら、引き込まれたままおしまいまで読んでしまいそうですよね。
②プラモデルのように作文する
なぜプラモデルが簡単で間違いがないのか。
それは①あらかじめパーツが用意されていて、②箱絵で完成イメージを確認したのち、③取扱説明書の通りに組み立てるからです。
文章も同じように
- 「何を言うか」トピックを化して並べておく(パーツ)
- 「どんなことを伝える文章なのか」を定めておく(箱絵)
- 「どれから」「どこを重点に」組み立てるかを決めておく(取説)
これらを書き始める前に準備できたら、簡単に間違いなく、書き上げることができるのです。
③言葉遣いを磨いていく62のレッスン
第2章から第5章までは言葉を磨いていく62のレッスンが収められていますが、その中でも私が特に参考になった3つを抜粋して紹介します。
- レッスン34 翻訳文体にご用心
- レッスン56 「らしさ」「ならでは」には客観的な根拠を添えること
- レッスン63 なんとなくのつなぎ言葉を使わない
レッスン34 翻訳文体にご用心
❌ 私は休みを取ることができるでしょう。
⭕️ 私は休みを取れるでしょう。
❌ 彼女は努力しようとしてきたわけではなかった。
⭕️ 彼女は努力してこなかった。
翻訳文体とは、海外文学の翻訳ものなどでよく見かけられる、持って回った言い回しのことを指します。
冗長表現の一ジャンルです。
私も翻訳文体を多用していました。
レッスン56 「らしさ」「ならでは」には客観的な根拠を添えること
❌ いかにも彼らしい巧みなフレージングでファンを魅了した。
⭕️ スタジオミュージシャンとして10年のキャリアを持つ彼らしい、巧みなフレージングでファンを魅了した。
❌ 人気コミック『新宿スワン』が豪華キャストにて実写映画化される
⭕️ シリーズ累計800百万部の人気コミック『新宿スワン』が、日本アカデミー賞受賞俳優・浅野剛主演で実写映画化される。
「〜らしさ」「〜ならでは」「〜でおなじみ」といったフレーズは、暗に読み手に「既知」を要求しているため、どうしても独善的なニュアンスが漂ってしまいます。
もし既知を前提としたフレーズを使うとしたら、必ず客観的な根拠を添えることを心がけてください。
レッスン63 なんとなくのつなぎ言葉を使わない
❌ 音楽をPCで聴く人が増えてきた。そうした中、アナログレコードの再評価ブームが起きている。
⭕️ 音楽をPCで聴く人が増えてきた。そうした中、高音質データでの配信サービスが人気を博している。
特に意味のないつなぎ言葉を、なんとなく使ってしまうことがあります。
原文では前の文の状況と後ろの文の内容がうまくかみ合っていません。改善文のように、前の文の状況を踏まえた内容を入れましょう。
❌ 私は基本的に大丈夫です。
⭕️ 私は大丈夫です。
「基本的に」「一般的に」などは、例外はある、と含みを持たせるためについ雰囲気で使いがちな言葉です。必要以上に使うと文章がボンヤリした印象になりますから気をつけましょう。
書評
良い文章とは完読される文章である(p14)
第1章レッスン1でいきなり惹きつけられました。
私は文章を書く際に、「シンプルにするために削ぎ落とさないと…」「SEO的には長文の方が…」などと混乱しならがら書いていましたが、答えは”完読されること”でした。
また、そのためには文章の構成に時間をかけること。いきなり書き始めてはいけない。
明快な答えが持てたことで、執筆がスムーズになりました。
数々の有名ブロガーの方が紹介していたとおり、ライティングに必要なノウハウが詰まった本です。
この本を読んでブログで実践を繰り返せばで文章力は上がっていくと思います。
時間がない人は、文章の構造について書かれている第1章のみ読むのもアリだと思います。
・文章の書き方を学んだことがなく、文章力に自信がない人
・テンポよくたくさんの記事を書きたい人
・言葉遣いを磨くテクニックを知りたい人
まとめ
いかがだったでしょうか。『新しい文章力の教室』の要約・書評まとめでした。
本記事では紹介しきれなかったテクニックが多く記載されている本です。
読者に最後まで読まれる文章を書きたい方はぜひ読んでみてください。